春のアオリイカ

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冬の間に下がった海水温が外気温とともに上がり、海水温が15℃を超えたあたりから、アオリイカは産卵のために接岸しはじめ、17℃以上になると産卵を開始すると言われています。

春のアオリイカは、ショアから狙えるもので最大3kg近くにもなり、その引きを体験したら最後、もうエギング地獄にはまったようなものです^^;

しかし、秋の新子とは違って、春の親アオリは数が少なく、また、これまで生存競争に生き残ってきただけに、そう簡単には釣れません。ちょっとした水温の変化や、潮回りで状況は一変します。天候や海の変化に応じて狙い方を変えていきましょう。


春の狙い方

アオリイカはアマモやホンダワラのような海草に卵を産みつけます。よって春のアオリイカのキーポイントは海草とベイトです。この時期は、朝夕などのマズメ時が有利なのは変わりませんが、日中でも大型が狙える時期でもあります。

一般的に産卵モードに入ったアオリイカは釣りにくいと言われていますが、全く捕食しなくなる訳ではありません。

春前半では、秋のように盛んにエギを追いかけてくることは少なく、ビシバシとシャクるよりも、しっかりボトムを取ってエギをじっくり見せる釣り方が中心になります。海底付近を、エギの移動距離を抑えたスラックジャークや小さなシャクリでアピールさせると効果的です。大型であればあるほど警戒心が強く、アタリが極めて小さいので釣りにくくなります。春の後半になると、アオリイカのいる層が中層~表層にまで広がり、狙い方が変わってきます。表層のハイピッチショートジャークで乗ってきたり、普段は狙わないようなシャローでも狙うことができるようになります。

大型アオリイカのジェット噴射は強烈で、沖に向かって勢いよく走ります。ドラグが鳴り、ロッドは大きく弧を描きます。PEラインに傷があったり、リーダーとの結束が甘かった場合は、あっけなくラインブレイクしてしまいます。いつ大物が来てもいいよう、時々ラインチェックをしましょう。

産卵行動

産卵前には体力をつけるために積極的に捕食行動をとると考えられています。効率よくベイトを捕食するため、沖にいたアオリイカは、沖からのかけあがりやワンドなどのベイトの豊富なエリアを群れで回遊しはじめます。いわゆるのっこみです。非常に活性が高く、大型のアオリイカが狙えるチャンスでもあります。海水温や潮見表などをチェックして、のっこみにうまく当たったとき、キロUPが爆釣も夢ではありません。

体力がついて産卵行動に入ったアオリイカは、群れで行動するのではなく、オスメスのペアで行動するので、釣れたアオリイカの背後に、ペアのもう1ハイが付いてくることがあります。


卵を持っているメスは、胴体部が膨張しているので外観からでもわかります。

メスはオスに比べて一回り小さいですが、卵を持つため重くなります。釣れた時は抵抗しないので引きがなく、ただ重いだけであがってきます。


通常は胴長30cmで約1000gですが、卵を持っていたので1400g近くあったメスのアオリイカ。胴体部が、大きく膨れ上がっています。



卵を蓄え始めたメス。胴体の中央部が、わずかに膨れています。

メス一匹に対し複数のオスが奪い合うので、オスが釣られても産卵を続けることができます。この時期は玉網でランディングするようにし、メスは優しくリリースしましょう。