エギンガーやヤエン師が多くなり、簡単には釣れなくなったと感じる方も多いかと思います。このような状況の中、勝ち続けるには、ライバル達よりも有利にゲームを展開しなければなりません。
その中で、エギの飛距離は圧倒的な武器となり、直接釣果に結びつきます。
もちろん、エギを飛ばせばよいというわけではなく、アオリイカがいるであろう条件がそろったポイントを探すのが重要なのは言うまでもありません。
ただ、エギを遠くに運ぶことができれば、探る範囲を増やすことができますし、条件がそろったポイントが遠くにあって届かない時や、風が強くエギが飛ばせない時は、非常に有効な手段です。
ここでは、エギの飛距離UPについて、紹介したいと思います。
ロケッティア化
ジンゴのロケッティアというエギをご存知でしょうか?その飛距離は、一度体感したら、病みつきになってしまうほどです。エギの重さに比例して飛距離は増しますが、通常の3割増し以上で飛んでいきます。
改造自体は、カンナを一本真っすぐに伸ばすだけです。あとはシモリ玉を用意して、リーダーに通せば準備完了です。カンナですが、エギのフォール姿勢に対し、一番上のカンナを真っすぐにのばします。少しでも曲がった部分があると、シモリ玉が抜けない原因となります。
カンナ修正用の工具が、カンナを真っすぐにする時に便利です。シャープナー付。
長すぎると感じたらニッパーで切っても構いませんが、特にその必要はないです。
シモリ玉は、
ヨーヅリ スーパーシモリ玉 S
ハリミツ US-4R 赤ビーズ 4㎜
などが適しています。
シモリ玉は釣り人から見えるように、派手な色が殆どです。色が気になる人は、黒や緑色に塗っても良いかと思います。黒は海が澄んだ色となる冬の海、緑はプランクトンが増えて豊かになった春の海に馴染むと言われています。
まず、キャストする前に、リーダーをエギの背中にはわせてカンナ側へ張ります。シモリ玉を伸ばしたカンナに通して完成です。
シモリ玉は緑に着色しています。
カンナにシモリ玉を通したところ
この状態でエギをキャストすると、ノーズを前にして飛んでいきます。こうすることで、空気抵抗が少ない、ブレが無く安定した姿勢で飛ばすことができます。着水時に、衝撃でシモリ玉が外れる仕組みです。
失敗すると、シモリ玉が途中で外れたり、あるいは外れずに絡まってしまいます。絡まってしまった場合は、エギの引き抵抗が大きくなるので気付くことができます。
キャストする際の注意点としては、ラインテンションを緩めずにロッドを振りぬいてください。徐々に力を入れるイメージで、振りぬきざまにグッと力を入れてあげると、失敗しません。急に力を入れると、シモリ玉が外れてしまいます。キャストした後は、ラインをフリーにしてあげる事。サミングをしてラインにブレーキをかけると、エギがノーズから着水しないため、シモリ玉が外れません。キャストにはコツがいるので、エギの姿勢を見ることができる昼間に、何度もやって練習してください。
横から風を受ける場合は、キャストした時にラインが横にながされるので、エギの着水姿勢が斜めになり、着水時にシモリ玉が外れない場合があります。これはどうしようもなく、風を斜めに受けない角度でキャストしましょう。着水時のエギの姿勢は、ノーズから海面に突き刺さるような姿勢がベストです。
リーダーは、太すぎるとシモリ玉が外れにくくなってしまいます。2号ぐらいまでとしてください。
バランスの良いエギ、悪いエギがあり、キャストしてクルクル回ってしまうエギは空気抵抗がかかり、飛距離が伸びません。エギの種類や、個体差によって違いがあるようです。(そもそも、ひっくり返してキャストするように設計されていないので、仕方ないのですが・・・)
まずは、本家本元のロケッティアを買って使ってみてください。それで練習してみることをお勧めします。
ロケッティアホバーロック。可動式シンカーも搭載
キャストにはコツが必要ですが、慣れれば、ほぼ100%に近い確率で成功するようになります。
なお、墨族、クリックス、ダートマックス、ドロー4、カラマレッティ、エギ番長などカンナが黒いものは焼き入れ処理をしてあるため、曲げる事ができません。無理に曲げると折れてしまいます。そういったエギの場合は、少し面倒ですが、ピアノ線をはんだ付けする方法があります。ピアノ線は0.7㎜、はんだはステンレス製はんだが良いようです。ピアノ線をはんだ付けする際、はんだの熱で、もともとのエギのカンナを固定している樹脂部分を溶かしてしまわぬよう、注意が必要です。
改造なしで飛距離UP
ロケッティアのように改造しなくても、エギの飛距離をUPすることができます。
実際に、この方法を使っている、プロのアングラーもいます。他社のアイデアを使うわけにはいきませんので(笑)
エギを飛ばす姿勢については、ロケッティアと同じですが、リーダーをエギに絡ませて、エギを逆さにします。これには二つの方法があります。
①
一つ目は、1段目のカンナと2段目のカンナを段違いで通す方法。
②
二つ目はシンカーを利用して、リーダーをからませるように通す方法。
リーダーをシンカーにひっかけながら、背中側にまわし、
カンナに掛けます。
キャストした時に外れたり、または外れずに絡まってしまう事があるなど、成功率は落ちますが、改造によりバランスが狂うのではないか?などど心配なかたにはオススメです。
飛距離をUPする前に
PEラインは、たくさん巻いておいてください。追い風に乗せてフルキャストすると、かなりの飛距離がでて、ラインが足りなくなってしまいます。飛距離+水深を考えたら、少なくとも100m以上は必要です。
240m巻きなら安心です。ライントラブルでラインを切る事になっても大丈夫!
ラインのメンテナンスも大事です。ラインのヨレがでていれば、それがガイドを通る際の抵抗となり、飛距離に影響します。
ヨレについては(⇒ラインのヨレ)を参照ください。